商品説明
「なぜ、私に話したんですか」
初めて、緑山さんがすがりつくような眼をした。感情に、飲み込まれていく。彼の中には、こんなにも強い感情があったのだ。これだけの感情を、彼は今まで、ひとりでかかえて耐えていた。零れ出す声は震えていた。まるで彼の魂そのもののような音。言葉に魂が宿る瞬間。
「思い出は、死ぬんだよ」
(本文より抜粋)
10年前母を亡くし、今父を亡くした遥。父の友人である緑山が紡ぐ秘密。九州のある列車に乗って、ふたりで秘密をひもといていく。
著者名
赤寅
販売者
赤寅
書籍情報
製本サイズ:A6
ページ数:64
表紙加工:カラー
本文カラー:モノクロ
綴じ方:無線綴じ